今さら聞けない 副業の超基本 

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大村信夫/樫村周磨 監修 朝日新聞出版 刊

どんな人にも、人の役に立てる能力がある。みんな自分の能力に気づいていないだけなんです――大村さんの片付け講師としてのセミナーに参加した後、ランチをご一緒した席で、彼はそんな思いを熱く語ってくれました。『副業の超基本』は、まさにその言葉を土台にして生まれた一冊です。

大村信夫さんには、家電メーカーに勤務しながら、片付け講師として企業や自治体などで片付けを教えてきた長年のキャリアがあります。会社員として働きつつ、もう一つの仕事を育て、時代に先駆けて副業(複業)を実践し、成功してきた人でもあります。さらに、片づけや情報整理をドラッカーのマネジメント理論をベースに語る独自の視点は、「自分の強みをどう整理し、どう社会につなげるか」を考える副業のテーマとも深く響き合っています。

制作をスタートするにあたり、大村さんがスーパーアドバイザーとしてお招きしたのが、人事のスペシャリスト・樫村周磨さんでした。樫村さんの深い洞察と幅広いネットワークによって、テーマ設定やトピックの選定はさらに厚みを増し、本書の視野は一気に広がりました。副業を個人のやる気や根性論として語るのではなく、働き方、組織、人事、制度のリアルを踏まえて立体的に捉えられているのは、お二人の組み合わせならではの強みです。

本書には、200人を超える副業アンケートに加え、副業実践者23人の体験談も掲載。さらに、法律、税金、保険といった、始める前にも始めた後にもつまずきやすい論点についての知見もたっぷり詰め込みました。副業のアイデアを並べるだけではなく、「自分に何ができるか」「どう始めるか」「どう続けるか」を、実例と制度の両面から支えてくれる構成になっています。

そして、重くなりがちなテーマに軽やかなビジュアルを添えてくれたのが、田渕正敏さんのイラストです。軽快なタッチで、副業にまつわる疑問や悩み、前向きに踏み出す姿を表現し、読者が構えずに読み進められる紙面をつくってくれました。副業体験者の似顔絵も描き下ろしていただき、実践者の声がより身近に感じられる構成になっています。

マッチボックスとしても、読者の不安に寄り添いながら、背中を押せる“超基本”を目指して制作した一冊です。副業を一部の人の特別な挑戦ではなく、誰にでも開かれた現実的な選択肢として捉え直せる、信頼できる入門書に仕上がりました。